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歯を磨きすぎていませんか?
〜オーバーブラッシング〜
姫路市の歯医者「山田歯科医院」では、歯磨き指導にも力を入れております。歯の健康を守るためには、毎日の歯磨きが非常に重要です。
しかし、正しい歯磨き方法が身についている方はあまり多くはありません。そして、歯磨きをがんばるあまり、力が入りすぎて「オーバーブラッシング」になってしまっている方も少なくありません。
こちらでは歯磨きの悪い例・良い例をご紹介しながら、正しい歯磨き方法を解説いたします。
「磨いている」のと
「磨けている」は違います!
大人でも、歯を正しく磨けている方はあまり多くはありません。「毎日欠かさず歯を磨いている」という方でも、染め出し液を使うと磨き残しが見つかることがあります。「磨き残しゼロ」を維持する必要はありませんが、正しい歯磨き方法を知っておくことは大切です。
たとえば少し歯磨きをサボって歯肉が赤くなったとしても、正しく歯を磨いていればすぐに治ってしまいます。逆に、やり方が間違っていると、どれだけ時間をかけてもキレイに磨くことはできません。歯の裏や奥歯までキレイに磨けるような、正しい歯磨き方法を身に着けましょう。
歯磨きの悪い例
むし歯や歯周病の予防には毎日の歯磨きが不可欠ですが、ただやみくもに磨けば良いわけではありません。力の入れすぎなどによる、いわゆる「オーバーブラッシング」を続けていると、歯肉や歯が磨り減ったり、歯の表面に引っかき傷ができたりとさまざまな弊害が起こります。
まずは歯磨きの悪い例を確認しましょう。
磨き傷
歯肉はデリケートなので、力任せに磨くと傷をつけてしまいます。
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太すぎる歯間ブラシが原因。
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力の入れすぎが原因。
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擦り過ぎて潰瘍ができている状態。
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上皮組織が一部なくなっている状態。
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痛々しい磨き傷。
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上皮が擦り剥けている状態。
歯肉の肥厚(フェストゥーン)
ゴシゴシ磨くと、歯肉がその刺激に負けまいと分厚くなり、歯肉の肥厚(フェストゥーン)ができてしまいます。
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歯肉にロール状の肥厚が見られます。 力の入れすぎが原因です。
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歯肉の肥厚(フェストゥーン)ができている状態。
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歯肉の退縮と歯肉の肥厚(フェストゥーン)が見られます。
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お母さんが仕上げ磨きをがんばったためにできてしまった歯肉の肥厚(フェストゥーン)。
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横から見た状態。
歯肉の退縮
歯ブラシが開くほどゴシゴシ力を入れて磨くと、歯肉が磨り減ってしまいます。やさしく、力を抜いて磨くようにしましょう。
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歯磨きによる歯肉の退縮が見られます。
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力の入れすぎによる歯肉の擦り減り(退縮)、歯磨剤による歯の擦り減り。
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歯磨きによる著しい歯肉の磨り減り。
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歯磨きによる歯肉の磨り減りとロール状の肥厚。
楔状欠損
歯をゴシゴシ磨くと歯肉が磨り減り、歯根が露出します。歯根は象牙質でできていて、エナメル質より柔らかいので、歯磨剤に含まれる研磨剤により楔状に歯根が磨り減ります。擦り減り方は、この方の磨き癖により様々なですが、一般的には楔状になります。このような状態が「楔状欠損」といい、象牙質知覚過敏症を引き起こす原因にもなります。
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歯磨剤による歯面の引っかき傷と磨り減り。
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歯と歯肉の著しいすり減りが見られます。(59歳男性)
歯磨きの良い例
正しい歯磨きさえ身につけば、むし歯や歯周病のリスクを大きく軽減することができます。歯の形は人それぞれ異なるため、一人ひとりに合わせた歯磨き方法を学ぶことが大切です。当院ではむし歯の原因となる「プラーク(歯垢)」を確実に落とす方法として「毛先磨き」をおすすめしております。詳しくは以下をご覧ください。
毛先磨き
毛先磨きとは、歯の表面に対して直角になるように歯ブラシを当て、その弾力の範囲で(歯磨き圧は100gくらい)磨く方法です。歯面に対して直角に毛先を当ててこすると、もっとも早く、かつ確実にプラークを落とすことができます。歯はゆるやかにカーブした立体なので、毛先が誌面に対して常に直角に当たるよう調整しながらこすりましょう。
また、歯の大きさや歯並びは人それぞれなので、その方に合った磨き方を実践することが大切です。歯ブラシの毛先を歯の表面に当たらなければ、プラークが落ちることはまずありません。
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歯ブラシの脇の一列を使い、右下の糸切り歯の前側を磨く。
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歯ブラシの擦面を使い、右上の前歯の前面を磨く。
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歯ブラシの脇の一列を使い、右上の前歯の付け根を磨く。
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歯ブラシの脇一列を使い、右上の前歯の後ろ側を磨く。
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歯ブラシのつま先の角を使い、左上の糸切り歯の前側の付け根を磨く。
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歯ブラシのかかとの2列くらいで、右上の前歯の裏側を磨く。
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歯ブラシのかかとの2列くらいで、左下の前歯の裏側を磨く。
歯並びがあまりよくない場合の磨き方
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歯ブラシの脇を使い、右上の前歯を磨く。
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歯ブラシの擦面を使い、右側の奥に入った歯の前側を磨く。
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歯ブラシの脇を使い、右の糸切り歯の前の面を磨く。
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擦面全体を使い、内側にある前の面を磨く。
当院では歯磨剤を使うことを
おすすめしていません
山田歯科医院では、歯みがき粉の使用はおすすめいたしません。理由は以下の5つです。
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【1】歯磨剤でプラークは落ちない
歯磨剤を使用したからといって、プラークが落ちるわけではありません。
実際に、歯みがき粉を使っているにもかかわらず、むし歯や歯周病に悩まされている方はたくさんいます。
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【2】磨けていなくても磨けた気がする
歯みがき粉には清涼感のある香料が含まれているため、磨けていなくても磨けた気になってしまいます。
お口のなかがさっぱりするのは良いのですが、磨き残しに気づきにくいのがデメリットです。
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【3】中に含まれている研磨剤で歯が磨り減って知覚過敏になる
歯みがき粉には研磨剤が含まれているものも多く、磨き続けているうちに歯が磨り減り、知覚過敏を発症してしまうリスクがあります。
とくに、力任せに歯を磨く方や、歯みがき粉をたっぷりと使用する方に多く見られます。
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【4】どこを磨いているか分からない
歯磨剤を使うと口のなかが泡だらけになり、どこを磨いているのか分かりません。歯を磨く際はできれば手鏡を使用し、毛先が歯のどこに当たっているのかしっかり確認しながら磨くことをおすすめします。
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【5】磨いているとよだれが出てくるのでうがいをしたくなる
歯磨剤を使って歯を磨いていると、よだれがたくさん出てくるのですぐにうがいをしたくなってしまいます。
反対に、歯磨剤を使用しなければうがいの必要もなく、いつでもどこでも歯磨きができます。
お勧めはノンペースト・ノンウォーター
当院では歯みがき粉と水を使用しない、ノンペースト・ノンウォーターの歯磨きを推奨しております。
「歯みがき粉を使わないと口臭が気になる」という方もいらっしゃいますが、口臭の主な原因は歯周病です。口臭を根本的に改善するためには、歯みがき粉を使用するのではなく、まず歯周病を治療する必要があります。
歯磨きは手鏡を見ながら、時間をかけてじっくりとおこないましょう。時間に余裕のあるときにしっかりと磨いていれば、一日一度の歯磨きでも問題ありません。
例えば、夕食後などのゆっくりしているときに時間をかけて磨くことをおすすめします。
磨きやすい歯ブラシを選択しましょう
歯の健康を守るためには、歯ブラシ選びも非常に重要です。磨きやすい歯ブラシを使うと、それだけ簡単にプラークを落とすことができます。
磨きやすいと感じる条件は人それぞれ異なりますが、当院では大人用にはGC社の「プロスペック・ヤング」、子ども用には歯磨き練習の初めに「プロスペックチャイルド」をおすすめしております。
お悩み事があればお気軽に相談しに来てください
山田歯科医院では患者さんとのコミュニケーションを大切に、「なんでも気軽に相談できる歯医者」を目指しております。
大人になると歯磨き指導を受ける機会もなくなり、つい自己流の歯磨きを続けてしまうものです。当院では担当衛生士制を採用しており、患者さん一人ひとりに合わせたお手入れをご提案できます。
患者さんの目線に立った的確なアドバイスをさせていただきますので、まずはお悩みをお聞かせください。